海の向こうで見て来たこと

-デンマーク・ロラン島を訪れて-

この企画では、バイオマス発電をはじめとした再生可能エネルギーを活用する環境政策や、森の幼稚園など自然と融合した教育の取り組みが行われているデンマーク・ロラン島を2016年9月に、最初に訪れた風見塾長が持続可能なまちづくりの未来を全編・エネルギー編・教育編にわけて語っています。

みなさんこんにちは。

 

デンマークのロラン島を訪ねてきましたので、ロラン島の全容とGaia Projectのこれからの展開についてお話していきたいと思います。

 

Gaia Projectとして取り組むプロジェクトは日本だけではなく、世界に広がりつつあります。

 

ロラン島というのは、環境政策の分野ではとても有名な島なんですが、初めての方もいらっしゃると思うので、簡単にその概要をお伝えして、どんなプロジェクトで動いているのかということについてご紹介していきたいと思います。

デンマークという国は、世界一幸福な国と言われているんですが、とても福祉が行き届いていて、国としてとても素晴らしい仕組みを持っています。税金はとても高いのですが、大学まで無料で行けたり、選挙の投票率が80%を超えたりという、それぞれ税金もしっかり払いますけど、その分自分たちの国に対しての意識も高い国で、とてもゆったりとした豊かさを持っている国だと思います。

 

その中でロラン島というのは、陸続きではないですが、鉄道と道路で繋がれています。コペンハーゲンに降り立ちまして、そこから電車で約1時間くらい走るんですが、島としては沖縄本島と同じくらいの大きさですが、その中に風車がたくさん立っていて、エネルギーの自給率としては600%以上の素晴らしい島です。それ以外に、バイオマスの発電所があったり、とても農園が豊かでオーガニック農園があったり、何より世界的にも注目されている森の幼稚園があります。

 

今回、私が9月の末から参りまして、最初パリのシャルルドゴールに入りまして、そのあとコペンハーゲンに入りました。そのあと、電車でロラン島に翌日入りまして、真っ先に森の幼稚園に行きました。実は、デンマークの教育はとても進んでいて、いろんな体験学習があったり、とても自由な中で教育がされています。次の日に高校に訪ねました。

 

また、ロラン島全体を見るという意味で、ロラン市の副市長とお会いして、都市計画の部局を訪ねて来ました。

 

その中で、デンマークも0メートル地帯が多くて、これからの水位上昇で、地球温暖化の影響を真っ先に受けるところで、もし洪水があれば、すぐに災害が起きてしまいます。そういう意味で、今後、地球温暖化にどう取り組むかや、風車を含めてどうエネルギー自立をどう測るか、コペンハーゲンとの環境政策とのリンケージが大きなテーマになっています。

今後、ガイア都市創造塾では、ひとつは森の幼稚園と提携して日本でもそのような教育を実現していくということ、ロラン市の都市計画に日本から何ができるかがひとつ、最後にNOAAというアメリカの政府機関が出している地球環境の情報をリアルタイムでみれる素晴らしい地球儀があるんですけど、それがサイエンス・オン・ア・スフィアというのですが、そのシステムが世界中に個人で持っているのがロラン島と東松島の方です。

 

今回、ロラン島をご案内いただいたニールセンさんという方がいらっしゃるんですけど、その方が東松島の森の学校を通じて繋がった方で、デンマークに居住されていて、その方と一緒にいろんな場所を見て来ました。

 

東松島に個人で持たれているサイエンス・オン・ア・スフィアとロラン島にあるサイエンス・オン・ア・スフィア。この世界に2つ公開されている地球儀、データベースをつないでGaia Projectとして何をやっていくか、構想が始まっています。

<エネルギー編>

今回の旅の目的でもある「エネルギーとその自立」それについては、まさしくロラン島にコペンハーゲンの風車をつくろうとしているんですね。

 

ローカルエネルギーというものをどう考えるか。

コペンハーゲンとともにロラン島がどういう風にエネルギーというものを共生していくのかということもありますが、ロラン島の美しい田園風景を守りながら、コペンハーゲンのエネルギー自立をしていく、そういうものを我々もこれからアドバイスしていきたいと思います。

 

これから、ぜひ、みなさんにデンマークに来ていただいて、ロラン島とコペンハーゲン、これからのサスティナブルシティ・サスティナブルアイランドを目指す事例について学んでいただきたいと思います。

 

これからの持続可能なコミュニティをつくるチャレンジがあります。

 

ロラン島はですね、ご覧いただいたように本当に美しい田園風景が広がるなか、未来の風景を思わせるような風車が立ち並んでいます。

 

僕自身も、ずっと訪れたいと思っていたので、今回は忙しい中5日間という強行スケジュールで行けまして、ロラン島で日本人の方なんですけど、ニールセンさんという方がエネルギー政策を世界へ広げるメッセンジャーの役割をしていまして、その方に案内していただいていろいろな重要な人物や見るべきところを見ることができました。

 

ロラン島について、まずお伝えしたいことが、中でもありました「風車」がロラン島と隣のフォレスタ島合わせまして500機ほど立っています。

 

そして、自然エネルギーは当然100%、エネルギー自給率はなんと600%なんですね。

 

つまり、島で使うエネルギーの6倍も作り出しているということ。

 

余ったエネルギーは国内外に売っています。

 

そして、その風車のほとんどが農家の方が建てた自力の発電所なんです。

 

そういう意味では、農家の方が広大な農地を使いまして、エネルギービジネスで自活しているというのがロラン島の素晴らしいところなんですね。

 

田園風景の中で農業をするだけではなくて、風という資源によって風景や農業を守りながら、エネルギービジネスを新しく作っていくという選択をしたという意味で世界中から視察団が訪れます。

 

このロラン島なんですけど、素晴らしいエネルギーの島になったのは実はそんなに昔ではなくて、1973年のオイルショックの時には自給率が高くはありませんでした。そのあと、原発の話が出たり、エネルギーというものについて注目が集められる中で、デンマーク自身も2050年までに自然エネルギーに全て移行するという政策を打ち出していますので、その先端をいくという意味でロラン島が最初にエネルギー自立を成し遂げたということで、デンマーク政府も注目しておりますけど、世界中からサスティナブルアイランドということで自然エネルギーによって自立している島として注目されています。

私がこの中で思ったのは、国とか自治体はいろいろな役割を担っていますけど、地元の農家の方々が自分たちの村を守るために自然エネルギーを選択し、国よりも率先して早く実現して、なおかつ、エネルギービジネスとして成立させているということなんですね。

 

風車をつくるために投資はしますけど、回収も短い時間で成し遂げて、それからは自然の持つ恩恵として農業を続ける大きな収入源になっていると、農業を維持するためにも自然エネルギーが役に立っている。それが、行政だけなくて、地元のいろんな人々の協力によって成し遂げられていて、とても大きなコラボレーションを生んでいられるということでその中心になっているのが市会議員のレオ・クリステンセンさんがいらっしゃるんですけど、とても信念のある方で、その方との繋がりで東松島へのご縁ができて、東松島の子供たちもロラン島に行ったり、学校で一緒に授業したりということが始まっているんですが、エネルギーというのは日本のこれからの大きなテーマですので、自然エネルギーで自立して、かつビジネスとして成立するんだということをロラン島が示してくれているんだと思います。

 

ガイア都市創造塾でも、これからいくつものエネルギービジネスを手がけていきたいと思っていますので、東北も震災を受けて自立的なローカルエネルギーの模索が始まっていますし、久米島の方でもバイオマスとか風力もありますけど、様々なエネルギーの可能性を秘めています。

 

我々が、地元にあるエネルギーを使って、持続可能に生きていく。そういうような処方箋、そういうものがロラン島にありますので、それぞれの地域エネルギーで我々がどんなサスティナブルなビジネスをできるのか。ガイア都市創造塾でもこれから、いろんな企画をつくっていきたいと思っていますので、ぜひ環境に興味がある方はロラン島との提携についても期待していただければと思います。

<教育編>

 

デンマーク・ロラン島というところに私は来ていますけれど、この中で特に注目しているのが、森の幼稚園です。森の幼稚園というのは、小学校に入る前の子どもたちが森の中で自由に暮らし、クリエイティビティを上げるというとても素晴らしい幼稚園です。

ロラン島という島自身が美しい島なんですけど、その中でも一際美しい田園風景のなかに、農家の方がおられて、その方が厚意で森の幼稚園を作り出したのです。

 

もともと、デンマークという国は幸福福祉社会で税金は高いですけども、その代わり教育は大学まで完全フリーですし、18歳になると子どもたちは家から出れるんですね。政府が、しっかりと生活費を出してくれて、ある意味では子どもというものは親の帰属物ではなくて、社会の財産ということで教育をしっかりと受けられ、そこで不平等がないように徹底した国です。

 

今回、他の義務教育になっている小中高の一貫校を見て来たんですけれども、フォルケスコーレというんですが、本当に自由で小学生が校舎を走り回っているんですね。

 

みなさん、体育の授業というと日本では並ばされて同じことをしますよね。ところが、体育の授業を見せていただいたら、走っている子もいれば、寝てる子もいる、僕らが端の方で見ていたんですけれど、一緒に遊んでいる子もいる。先生は特に何をしろということもなくて、個人の選択を自由に任せているんですね。

 

森の幼稚園もそうなんですけれど、とにかく自分で考えて、自分で責任を取っていくという教育。それと同時にどんな学校に行っても自然にあふれていて、そのままでいいんだよと、自由でそのままの個性を出してきていいんだというメッセージにあふれているんですね。

 

そういう意味で、森の幼稚園というなかで出会った子どもたちも嬉々として自然とともにあるし、いろんな来訪者がいらっしゃるようなんですけれど、人懐っこくて人を信じることができる子どもたちという気がしました。

人を信頼する教育というのができているのかなと思いまして、実は街中に出ても性善説に成り立っているんですね。例えば、駅前のパーキングなんかも自分で時計の針を示して何分から何分止めますと。人を信頼できることがまず重要で、いろんな方にお話を伺うと、まず楽しいということをやろうと言っていました。

 

楽しいということをやるというのを大切にするというのがデンマークで、その中で自然とともに生きていくという覚悟のもとに街ができ、また学校教育ができているというのがロラン島なんですね。

 

ですから、ガイア都市創造塾としては、ロラン島全体ともですが、特に森の幼稚園とは森の学校をつくってきた私が、森の幼稚園あるいはそれ以外にも世界に自然とともに新しい教育をチャレンジしている素晴らしい先端的な機関がありますので、そういう人たちとともに、我々の震災という経験もありますし、これからの日本が育んでいくべき教育の一つのモデルを一緒に作っていきたいと思っています。

 

そういう意味では、来年の夏にロラン島を訪ねて向こうの教育を知るサマースクールを実施します。

 

自然にあふれた学校に通わせたいというご両親がたくさんいらっしゃると思うんですね。そういう方々に、ぜひ夏の間でもロラン島の森の幼稚園のような自然にあふれた学校の雰囲気を体験していただいて、日本でそれにふさわしい学校をつくっていこうという想いのもとに、全国各所にガイアの学校をつくっていくプロジェクトがスタートします。

 

ですから、今までの教育というものに対して、変えたいという想いがある人、学校教育の周辺に今までの才能を活かしていきたいというビジネスをお考えの方にはぜひガイア都市創造塾に入っていただいてともに国際的な新しい持続可能な教育を目指していってほしいと思います。

 

​〈了〉

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