風のタウマゼイン
ロラン島 Gaiable 報告会
ロラン報告会実行委員会
実行委員長;横田美宝子
副実行委員長;渋谷雅人
幹事;小野高宏
スピーカー
▪️教育部門;小野高宏
▪️エネルギー部門;早川大悟
▪️食・農業部門;横田美宝子
フォト;島田望
野菜提供;湯本高士
【 ロラン島 報告会開催 @ 2018.1.21 sun 】
素材と場と人を五感でつなぐ
持続可能な美味しい社会を創る
一般社団法人pot・au・feu プロジェクト協会
代表理事 横田美宝子
東京・永田町で開催された「ロラン島報告会」。
会場となった「永田町GRID・みどり荘」の運営会社は、
偶然にも、株式会社ガイアックスという名前。
ガイア理論で語られる「地球は一つの生命体」という考え方を軸とし、
「人と人をつなげること」をミッションにかかげた企業であった。
ガイアからの粋な計らいかと思うと、始まる前から胸が高鳴った。
古き良きビルをリノベーションした心地良い空間。
まずは、ガイアウエルカムピンチョスを楽しんでいただく。
ガイアウエルカムピンチョスとは、
風見塾長が描かれた、
アライアンスツリーのスケッチからインスピレーションを頂戴し、
葉山3pmさんじが作った軽食のこと。
ガイア都市創造塾1期生東京校の湯本氏と島田氏の野菜などを使用し、
ガイア塾ならではの顔の見えるハートフル食材をふんだんに散りばめた。
ロラン島の美しい映像とともに会がスタート。
最初に、参加したきっかけ、理由について隣同士で対話するアイスブレーク。
「報告会が終わった時に、どうなっていたら最高ですか?」
司会の渋谷雅人氏の投げかけに参加された方々は、積極的にペンを走らせていた。
実行委員長・横田美宝子の挨拶に続き、
風見塾長の挨拶と基調講演。
震災後、持続可能な社会の実現のため、
森の学校のトータルデザインもされた風見塾長は、ガイア都市創造塾を通し、
ソーシャルインパクトを与える活動をしていきたいとご挨拶。
そして、持続可能な未来、幸福者社会を創造しているデンマークが、
震災の被災地、東松島に支援したのがきっかけで交流が始まり、
今後、ロラン島と日本のブリッジになっていくであろう、
同じ志を持つ仲間を集めたいという熱いメッセージを参加者に届けた。
以下、ロラン島について風見塾長の基調講演を抜粋
・人口6万8000人(佐渡島とほぼ面積は近い)
・先端的な環境都市、風力発電、風の谷のナウシカを思わせる
・1973年のオイルショック当時、原発の話が出たが国民運動が起こり、
3年間徹底的に議論した結果、再生エネルギーの道を選んだ
・2050年に化石燃料から完全脱却することを宣言している
・自然エネルギー100%、エネルギー自給率600%
【農業と自然エネルギー】
・クヌンセンルン農園オーナーであるMs.スザナは最先端の持続可能性を目指す
そしてオーガニックと生物多様性、多元的な循環型農業の実践
・大地の恵み 麦を作ったら藁が出る、それを自然エネルギーに活かす
・農家になるために3年半の教育が必要で、大学院を出ていないと難しい
・法規制や最先端のテクノロジーが必要
・地球的な視野で世界を感じる
・国内風車(500基以上)を農家、島民が所有
・その他バイオマス、ゴミ発電、熱電 エネルギーミックス
【教育】
〈フォルケスコーレ・小中一貫の国民学校〉
・フォルケスコーレ、義務教育 ダイバーシティーの重視と個人の尊重
・小中9年生、クラス上限28人、6年生までテストなしで7年生から年2回テスト
・一人一人のケアプラン(教師の義務)
・きちんと対話することを重視 自由と自立の対話を大事にする
・先生は転勤がなく、信頼関係、情熱、真剣に叱る
・学校評議会、親、子供の代表が選ばれ学校運営について議論する
・自由、平等、民主主義の精神を重んじて社会を実現する
・小学校では政党の勉強、マニュフェストを読むそれにより、投票率は約90%
〈森の幼稚園〉
・森の中が教室である「森の幼稚園」は自然教育が生み出す自主自立の発想
・自然の中で子供たちが育つ
・怪我をする、のこぎりを使う、自主的に校舎をつくる
最後にロラン島の環境大使ニールセン北村朋子氏のご協力への感謝を述べ、
基調講演は終了した。
続いて、ツアー参加者のプレゼンが行われた。
「教育」、「エネルギー」、「食・農業」パートで3名が発表。
「教育」については、1期生仙台校の小野高宏氏。
小野氏の奥様は、同じく1期生仙台校で学ばれており、
お子さんも一緒に3人でツアーに参加。
森の幼稚園、フォルケスコーレ学校訪問の様子をたくさんの映像と共に紹介。
家族参加だからこそ見えた景色をワクワクいっぱいで届けた。
参加者の方々も夢中になって聞いている様子がうかがえた。
カリキュラムなし、とにかく外で遊ぶ!
雨の日は小屋に入り、寒い季節は火を焚く!
それが、森の幼稚園!
責任と信頼関係のもと、自分の意思で選択できる自由な教育が成立し、
また、自由な教育には、それに適した環境と先生が欠かせないという話が象徴的だった。
フォルケスコーレでは、目で見て学べるように、
カラフルで遊び心いっぱいに学校全体が工夫されている様子や、
先生と生徒が対等の関係でいるために、ファーストネームで呼び合う様子を紹介。
授業も自由なスタイルで、ご飯を食べながら、
バランスボールに乗りながら授業を受ける子がいたり、
手を上げて「外に遊びに行ってきます」と言う生徒には、先生がOKを出すといったことも。
信頼しているからこそ、受け止めることができる教育の話を臨場感たっぷりに伝えた。
家族で参加しても、それぞれが充実して過ごすことができ、
自分の目線で感じ取って、受け取ることができるのも
ガイア都市創造塾でのツアーだからこそだと強く実感した。
「エネルギー」についての話は、
1期生東京校の早川大悟氏。
◎海抜25m、一日中強い風それを逆手に取り、風は大きな資源として風力発電を!
無駄なものは何もないという考えのもと、
農家から入札で藁を購入し、燃焼、発電、地中パイプを伝わって熱を循環供給。
そして藁の燃えかすは、農家へ肥料として変換するバイオマスエネルギーを活用。
問題点は、なんと、ごみが足りないということ。ごみを資源として輸入しているリサイクルの話には驚かされた。
◎税金に頼らない経済を生み出す発想!
逆境をプラスに変換し持続可能な美しい仕組みを作りをしている話の数々に
参加者の方々が興味を持たれている様子が印象的だった。
自然哲学塾を開講予定の早川氏は、地球全体を慈しむ視点でロラン島を満喫し、
その中で感じたエネルギーの話は、とても興味深い発表だった。
「懐かしさを感じる場所で、2日目からもう帰りたくなくなる」という一言からも、
ロラン島の魅力が伝わってきて、ぐっと引きこまれた。
「食・農業」については、1期生東京校の横田美宝子が、
~その地に立ったからこそ味わえた。ロランで出会えた旨みの素~と題し、発表。
美術史を大学で学んだ、クヌンセンルン農園の4代目オーナー、
スザナ・ホウマン・ジモンセン氏の「美しい物だけに囲まれたい」という思想経営と美学とバランス力に、強く心惹かれた。
牛を放し飼いにした放牧地に、さまざまなハーブが植えられた壮大な風景。
その風景を見ることで、食の課題をハッピーに解決するヒントも得て、
ロランと日本の食文化コラボレーションのイメージも膨らんだ。
ワクワクしたと同時に、日本の食文化の素晴らしさも再認識。
スーパーマーケットでは、当たり前のように、
フェアトレードを選択できるような仕組みになっていて、
ラベリングやデスプレイも分かりやすく整えられていた。
対話の文化がサスティナブルを生み出していると実感。
朝、訪れたカフェでも対話を大切にしている姿が印象的だった。
そして、風見塾長が交友なさっているからこそ、普通のツアーでは体験できないような
すべて手作りのオーガニックケータリングランチのおもてなしも堪能できた。
◎素材以上に大事なのは相手への想い!
◎自分がこうしたい、という想いを持ってアクションすることが大切!
このような気づきも、ロラン島での食との触れ合いの中で得た、
大いなるギフトだと感じている。
3名のプレゼンが終わり、司会の渋谷氏から、
「印象に残ったこと、新たな気づきは何ですか?」そう参加者に向けて問いかけると、
「写真の笑顔が印象的だった」という複数の声が聞こえてきた。
参加者の方々がロラン島に行った我々と同じように、
幸せな気持ちになってくれたと感じた瞬間であり、非常に嬉しかった。
最後に、風見塾長の総括で印象に残った言葉を共有したい。
・国を超えたおもてなしの心を感じた
・教育が人を創る
・エネルギーは政策ではなく、事業によって生み出す
・産官学民が一緒に自立的なエネルギーを作る
・デンマークが実現している大事な仕組みを知った以上は、やるしかない
・ロラン島とのガイアアライアンスによって世界を変えていく
ロラン島報告会を開催し、改めて感謝したことは、
ロラン島の地に立ったからこそ、気づけた、知ることができたということ。
そして、ガイア都市創造塾・風見塾長アテンドの視察ツアーだったからこそ、
深い部分まで触れ合え社会に必要な意識や仕組みを見ることができたということ。
それぞれが持つ個性豊かな大地にガイアの種を撒き、
色とりどりの花を咲かせるきっかけとなった時間であれば、これ以上の喜びはない。