風のタウマゼイン
ガイアブル 座談会①
特集 アイランド・ロラン
〜 なぜ今、ロラン島なのか? 〜
2018年4月6日開催
【 参加者 】
● 2017年ロラン島ツアー参加 ガイア都市創造塾 1期生 東京校
早川 大悟さん( 右端 )
● 2017年ロラン島ツアー参加 ガイア都市創造塾 1期生 東京校
横田 美宝子さん( 右から2番目 )
● 2018年ロラン島ツアー参加予定 ガイア都市創造塾 2期生 東京校
流田 和啓さん( 左端 )
● ロラン島初体験 ガイア都市創造塾 2期生 東京校
三浦 元伸さん( 左から2番目 )
流田)
まず、僕がロラン島ツアーに参加されたお2人に聞きたいのは、
なぜロラン島に行きたいと思ったのか、
そのきっかけや心の変化について教えていただきたいなと。
早川)
僕の場合はですね、ロラン島のエネルギー自給率の分野に興味があったということですね。
ロラン島のエネルギー自給率は、600%という高い水準で、日本はエネルギー自給率が著しく低いのが現状です。
エネルギーの歴史を紐解くと、オイルショックの時に、原発を選択するかどうかというところで、日本は原発を選び、ロラン島、デンマークは国民投票と対話で3年間の猶予を設けた結果、国民投票で再生可能エネルギーを選択しました。そして、再生可能エネルギーが政策となり、今では、エネルギーを輸出するというところまで成長しています。そういうことができたのは何故か、きっと国民性や文化が起因しているのだろうなと思って、その空気を肌で感じたいなと思ったのがきっかけですね。
流田)
実際に行ってみて、自分なりにここが違うなと思った答えを一言でいうと、どんな感じですかね。
早川)
そうですね、やっぱり、皆さん本当の民主主義というか、自由というか、自由って言葉は、自分に由ると書くじゃないですか。子どもの時から自分で決断して、対話を通して妥協点を見つけていく文化ができているんだなというのは、すごく感じたんですよね。
流田)
自由っていうのが、皆勝手にやっていいよっていう自由じゃなく、自立に近いものがあるっていうことですね。
早川)
そうですね。子どもの頃から、自分の意見を持つ。そういう環境にあるんだなということを、端々で感じました。
流田)
教育というところからエネルギーに繋がっていくというイメージが頭の中に浮かびますね。
早川)
そういう風土というか、そういった教育が、エネルギーなどの政策の土台になっているということを強く感じましたね。
流田)
横田さんは、どういったきっかけでロラン島に行こうと決めたんでしょうか。
横田)
これはですね、とても抽象的なお話になるんですが、風見先生が、「美宝子さんはそこに立っている。ロランにいる」っておっしゃったんですね。私は元々、テキスタイルという布のベースのものを学ぶために、スウェーデンの学校に行ってるんですね。だから、北欧は好きな地なんです。でもそういう私の情報を風見先生は、持っていなかったのに、そんな風におっしゃったんです。それで、私も理由ではなくて、瞬間的に行きたいって思ったんです。ただ、それだけなんです。
流田)
そうだったんですね。
横田)
ただ、ツアー予定日に、私の講演などのスケジュールが入っていて、ロランには行けないってことになっていたんです。8割方は調整できたんですが、どうしても予定の調整ができない講演があったものですから。ご迷惑をお掛けしちゃうので、無理だと思っていたら、それが先方のスケジュールで2週間ずれたんです。
流田)
それはもう、行きなさいってことですよね。
横田)
そうなんです。なので、それから航空チケットを取って、ツアーに無事参加することができました。
流田)
それは、もう導かれたという感じもあるんですかね。もちろん行きたいっていう気持ちと、引き寄せる何かがあったということでしょうね。
僕も行きたいって思ってるんですが、直感的にロランの写真を見た時に感じるものがあったというか。「あ!ここなんかいい。行きたい」っていう。ロラン島の風車や夕陽、牛舎なのかな、赤い屋根の家の写真を見た時に、なんか懐かしい気持ちになったんですよね。行きたいなと思っていたら、たまたまテレビでロランが特集されていて、これは行くしかないと解釈しています。三浦さんは、ロランと聞いた時に浮かぶイメージや質問はありますか。
三浦)
そうですね。ツアーに参加された方にいくつか質問なんですが、一つ目は、ロランに行った時に、自然に涙が溢れてくるような、そんな感情が高ぶったシーンとかがあれば教えて欲しいなと思うんですが。
横田)
理由や特別感はないんですが、日常の延長線上での感動が多かったですね。例えば、旅行に行ったり、アトラクションを受けて、わっと感動して込み上げてくる特別なものじゃなくて、ごくごく日常の延長線上での溢れ出る喜びを強く実感しましたね。
早川)
これに感動した!っていうことじゃなく、元々僕らが持っていたもの、DNAが喜んでいる、呼び覚まされるっていう感覚が強かったですね。滞在2日目からは、日本に帰るっていう概念がなくなって、ロランが故郷っていう感覚がずっとありましたね。
流田)
それは、人とのふれあいで感じているものなのか、ただその場にいるだけで感じる空気とかがそういう気持ちにさせるのか、どうですか?
早川)
僕の場合はですね、人とか風景ではなく、全てが調和しているというところから、懐かしさという感覚が生まれてきたような気がします。
横田)
もちろん、ロランにいる人や風景が印象付けになっているとは思いますが、それだけがロランの魅力ではないですね。元々、私たちが持っている何かを呼び起こさせる地という印象が強いです。それと、私は常に温度感がありました。人と話していても、何かを食べていても、街を歩いていても、温かく包まれているというか。
流田)
そうなんですね。実際にロラン島にいる人に会って、日本人の感覚とは、どんな風に違っていると思われましたか。
早川)
お話を聞くという時間が長かったので、なかなか直接会話をする機会はなかったんですが、デンマークは、世界でも幸福度ナンバーワンと言われている国ですから、風土的なところからも“楽しむ”というキーワードを端々から感じました。“自分自身がやりたいことを楽しむ”ということが、好き勝手にとか、人に迷惑をかけるということではなく、それが世のため、人のためになっているのが印象的でしたね。
自然体で生きているっていうことを強く感じました。日本みたいに、時間にきっちりしていて、サービスもきめ細かいというのはないので、とてもおおらかで自然体っていう感じでしたね。
三浦)
幸福度ってかなり抽象的ですけれども、ロランの人たちが考える幸福っていうのはどんなのものなんですか。
横田)
私は幸福の価値観が変わったなと思って、日本人って楽しまなきゃとか、こうだと幸せとか分類することが割と好きだけど、ロランの人は、たとえ歩いているだけでも嬉しいんだろうなっていう風に見えましたね。
拙い英語ですけど、積極的に現地の人とコミュニケーションをとっていたんですよ。カフェやチョコレート屋さんに行って話したりすると、皆さん、自分が話したい物語や世界観をそれぞれ持っていらっしゃるんです。
それって、幸せなことだなと感じましたね。こうあるべきじゃなく、こう生きているっていうことを堂々と伝えている姿が印象に残っていますね。
ロランの人たちは、自分流のおもてなし、自分流の会話を持っていて、こうすると喜ぶよとか、こうすれば失礼じゃないっていうところから入っていく日本人の考えとは違うなと思いました。
早川)
人からどう思われるかとかじゃなく、全てのことに対して、本当に自分が楽しんでいるっていうことを、どんなところでも一貫して感じましたね。
三浦)
それは、歴史的にそういう民族なんですかね、それか何かきっかけがあってそうなったんですかね。
横田)
きっかけはあったでしょうね。皆さん、決して優等生とか、お利口さんっていうわけではないから、怒る時は怒るし、不安になる時はなると思うの。
子どもたちだって、ちょっと寂しいのかなって思うと、ちょっかいを出したりしているし、それも含めて包まれているというか、自分でOK出しているっていう感じですね。
第2話に続く