風のタウマゼイン
ご挨拶
皆さんの中に子どもの鼻づまりなどの鼻症状で歯科医院を連想する方はいったいどれぐらいおられますでしょうか。子どものお口がポカンと開いていて将来困るなと感じる方はどれぐらいおられますでしょうか。
僕は歯科医師になり約20年、お子様からご高齢の方々までたくさんの患者さんを治療してきて、強く感じることがあります。それは、幼少時の口腔内の成長がいかに上手くいっているか、ということに疾患の原因が行きつくということです。
口腔内の疾患というのは、すでに多くの方々がご存知のとおり、虫歯菌や歯周病菌による感染症であると同時に生活習慣病の側面を持っています。
予防という概念が浸透してきて歯磨きによるプラークコントロールの重要性は認識されている昨今、口呼吸による口腔乾燥、噛みしめ癖などによる歯の外傷に対する認識はまだまだ浸透していません。
お口の習慣というものはいい習慣であれ、悪い習慣であれ幼少期から成長期にかけて形成されてくるもので、学習するものなのです。
さらに一度出来上がった習慣を後で変えるのは大変な事なのです。
ここで学習ということにフォーカスすると、赤ちゃんは生まれてきて哺乳をし、その後に歯が生えはじめると離乳期に入ります。すでにこの時点から口腔内の成長に対する学習が始まるのです。
多くの方々にお話を伺うと、歯並びは悪くなったら仕方ない、悪くなったら必要なら矯正をしようかなとおっしゃいます。
しかし、悪くならないように学習させてあげられるとしたらどうでしょうか。自分の子ども達に教育し、躾けるように、お口の成長にとって重要な習慣を学習させ、その結果、鼻呼吸しやすい子どもに成長できるとしたらどうでしょうか。
鼻呼吸ができ、しっかり咀嚼ができ正しい嚥下ができるように育ててあげることが未来の子ども達にとって最高のプレゼントになるのではないでしょうか。
この度、宮城大学の風見教授との出会いにより、今まで自分の歯科医院でのみお伝えしてきたものをより多くの方々にも知ってもらいたいと使命に気づき、それをどうしたら実現できるかを考えて参りました。
小さな子ども達に届くように、その周りの方々に広くお伝えできるように、そのように考えた時、「絵本を描く」事が最良の方法であると気づき、またそれが僕自身もすごく楽しいと、ワクワクすると感じました。
口の成長の大切さ、正しい嚥下運動の大切さ、またそれにより得られる鼻呼吸の大切さ、自然治癒力の大切さが多くの子ども達に伝わり、いつの日にか子どもの成長に歯科と医科で連携が取れる日がくる事を期待して、この絵本をおくりたいと思います
人生を謳歌できるように。
ガイアから社会に羽ばたくこれからの人に贈る羅針盤を制作します。
出井庸喜
1973年生、奈良県出身。
1997年、大阪大学歯学部卒業後、同大学歯学部附属病院顎関節咬合科に勤務。
大学病院にてCAD/CAMシステムによる補綴物の研究と
全身と噛み合わせの関係を治療する教授に師事。
2003年、出身地である奈良県香芝市にて、でい歯科医院を開院。
大学病院退職時、患者さんから言われた「先生に出会えて本当に良かった」という言葉を、
開院したこの地でも全ての患者さんに思って貰えるよう日々精進する。
2017年、歯科医師人生20年、将来健康に役に立つ子どもの頃からの
噛み合わせの育て方の重要性を世の中に伝えるべく、
ガイア都市創造塾、風見先生のもとで絵本制作に携わる。